AIコーディング3製品を運用で比較
429で16体が同時に落ちた夜から、並列の上限を決め直した。指示ファイル、hook、レビュー出力の3点で3製品を比べる。
PR:この記事には、当サイトが参加する(予定の)アフィリエイトプログラムの紹介枠があります。製品の評価と順番は、報酬の有無と関係なく決めています。Claude Code・Cursor・Codex の3製品については、アフィリエイトを確認できていません。
機能表や料金表の比較はほかに多くあるので、この記事では運用で比べます。見るのは、指示ファイルの置き方、強制できる仕組みの有無、並列で回したときの壊れ方の3点です。仕様と料金は、2026年10月16日に各社の公式ページで確認しました。
タイプの違いと、どの製品でも起きる事故は「コーディングエージェントの選び方」に書いています。
手元で確かめたバージョン
編集部の検証環境(Linux、Node.js v20.19.2)で、公式の npm パッケージのバージョンを確認しました(2026-10-16)。パッケージ名に注意してください。npm の claude と codex は別物です。claude は説明文に「公式の Claude Code パッケージではない」と書かれたもので、codex は無関係のドキュメント生成ツールです。npx claude のように短い名前で打つと、別のパッケージを実行してしまいます。正しいパッケージの入れ方は「Claude Codeの始め方」にまとめました。
$ npx @anthropic-ai/claude-code --version
2.1.301 (Claude Code)
$ npx @openai/codex --version
codex-cli 0.163.0
Cursor の CLI は、今回はインストールまで進めていません。Cursor については、公式ページの記載だけで書いています。
指示ファイル:AGENTS.md に寄せられるか
| 製品 | 指示ファイル | 出典(2026-10-16確認) |
|---|---|---|
| Claude Code | CLAUDE.md。CLAUDE.md が無ければ AGENTS.md を読む(v2.1.277以降) | https://code.claude.com/docs/en/memory |
| Codex | AGENTS.md。大きいプロジェクトではディレクトリごとに入れ子にして注入量を抑える | https://developers.openai.com/codex/pricing |
| Cursor | .cursor/rules/(Claude Code の /init が取り込み対象として挙げている) | https://code.claude.com/docs/en/memory |
複数の製品を併用するなら、共通部分は AGENTS.md に書き、Claude Code 固有の指示は CLAUDE.md から @AGENTS.md を読み込む形が公式に案内されています。1つのファイルを複数の製品で共有できます。
CLAUDE.md をどこまで削ったかは「CLAUDE.mdを削った記録」にあります。
強制の仕組み:hook があるか
Claude Code の公式ドキュメントは、CLAUDE.md を「強制される設定ではなく文脈」と書いています。必ず止めたい操作は PreToolUse hook で止めるように、という案内です(出典:https://code.claude.com/docs/en/memory 、2026-10-16確認)。
編集部は、コミットの形式を hook で検査しています。ここで踏んだのは、hook 自身の誤判定でした。heredoc で書いたコミットメッセージが、途中の200バイトで切られた状態で判定されていました。いまはメッセージを一度ファイルに書き出してから、git commit -F で渡しています。
printf '%s\n' "fix: 入力の検証を追加" "" "詳細..." > /tmp/msg.txt
git commit -F /tmp/msg.txt
hook を入れたら、hook が何を受け取っているかも確かめます。
終了コードの意味と、素通りした例は「Claude Code hooks実践」に書きました。
並列:上限は製品ではなく API が決める
並列で16体のサブエージェントを起動したら、429(レート制限)で全員がほぼ同時に落ちました。全員を起動し直すと、同じことが起きます。いまは、落ちた分だけを再開しています。起動は8〜10体ずつ、2つの波に分けています。
Claude Code の公式ドキュメントは、チーム規模ごとの1ユーザーあたりの推奨 TPM と RPM を表にしています(1〜5人なら 200k〜300k TPM・5〜7 RPM)。並列数を決める前に、自分の上限を確かめます(出典:https://code.claude.com/docs/en/costs 、2026-10-16確認)。
Codex の Plus と Standard Business では、5時間あたりの目安のメッセージ数がモデルごとに示されています。Pro には、現在5時間の上限がありません(出典:https://developers.openai.com/codex/pricing 、2026-10-16確認)。
落ちた分の回収の仕方は「並列で落ちたときの回収手順」にまとめています。
レビュー:出力の形式を指定する
別系統のモデルにレビューさせるなら、指摘の書き方を指定します。編集部は、前の周の指摘ごとに「維持/格下げ/撤回」のどれかを書かせています。こうしないと、同じ指摘が毎周、新しい指摘のように並びます。レビューに渡すブリーフに事実を書いたら、渡す前に grep で裏を取ります。
Codex には review サブコマンドがあり、codex --help で確認できました(v0.163.0)。
レビューを何周で止めるかは「AIコードレビューは何周で止める?」に書きました。
コードを書く前の設計の段階で、別系統のモデルに反論させる使い方は「別のAIに設計を反論させる」に書きました。
料金の入口(2026-10-16時点)
| 製品 | 個人向けの主なプラン | 出典 |
|---|---|---|
| Claude Code | Pro 月$20(年払いなら月$17)、Max 月$100〜 | https://claude.com/pricing |
| Codex | Plus 月$20、Pro 月$100・$200・$500 | https://developers.openai.com/codex/pricing |
| Cursor | Plus 月$8、Premium 月$30、Super 月$100、Ultra 月$200(X の「X Subscription」として販売) | https://cursor.com/pricing 、https://cursor.com/docs/models-and-pricing |
Cursor の料金体系は、2026年10月時点で X の「X Subscription」の一部として販売される形に変わっています。料金ページには Grok の機能や X の機能(広告の削減など)も並んでいます。注意点が2つあります。Plus(月$8)で使えるのは Grok のモデルだけです。Premium 以上では、他社のモデル(Claude や GPT など)は定額に含まれず、API の定価で、前払いのクレジットから別途支払います。以前の Pro(月$20)、Pro+(月$60)は、既存の契約者向けのレガシープランとして残っています(出典:https://cursor.com/help/account-and-billing/pricing 、2026-10-16確認)。Claude のモデルを主に使うつもりなら、定額の金額だけで比べないでください。
いずれも税抜の表示です。料金は数か月単位で変わります。契約する前に、公式ページで最新の金額を確認してください。Claude Code の料金は「Claude Codeの料金、実際いくら?」に詳しく書きました。
まとめ
- 併用するなら、共通の指示は AGENTS.md に1本化する。
- 必ず守らせたいことは、指示ファイルではなく hook に書く。
- 並列数は、API の上限から逆算して決める。落ちたら全部ではなく、欠けた分だけ再開する。
- レビューは「維持/格下げ/撤回」の形式で返させる。